問題を起こしてないのに退職を求められている場合 | 大阪天王寺の労働問題に精通した弁護士

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不当解雇・リストラ

問題を起こしてないのに退職を求められている場合

厚生労働省に発表によると、2021年1月時点で新型コロナウイルス感染拡大の影響による解雇・雇い止めの人数(見込みを含む)が累計8万人を超えました。労働者自身には問題がないのに、退職を求められた場合、労働者はどう対応すればよいのでしょうか?
労働者に問題がないのに会社の都合で退職を求められる場合には希望退職、早期退職があります。また、会社都合で行われる解雇には整理解雇があります。
それぞれについて解説します。

希望退職、早期退職

①希望退職

希望退職とは、会社が一定の条件を示して労働者の自由な意思による退職を募ることをいいます。人員整理や人件費削減を目的とするリストラの一環として行われています。
「リストラ」というと業績が悪化した会社で行われる「肩たたき」「クビ」のイメージがありますが、それだけに限りません。事業の見直しや労働者の若返りなどを目的とすることもあり、堅調な会社でもリストラが行われます。

②早期退職

早期退職とは、定年を迎える前に会社を退職することをいいます。
希望退職が人件費削減を主な目的とする制度であるのに対し、早期退職は会社側の事情のみならず、人生の選択の幅を広げるといった労働者側の事情も考慮した制度です。期間限定の希望退職制度とは異なり、いつでもだれでも利用できるという点に特徴があります。

③合意が成立する過程

希望退職も早期退職も、労働契約の合意解約です。
いずれもまずは会社が制度を労働者に周知・募集させることから始まります。この募集が「申し込みの誘引」となり、これに同意する労働者が応募することで「申し込み」がなされます。これを受けて会社が「承諾」することによって合意解約が成立するのです。
労働者からの応募を待って会社が承諾し合意が成立する以上、退職の募集に手を挙げるかどうかは労働者の自由な意思に任されています。つまり、退職の打診を受けたとしても、断って会社に残ることもできるわけです。

④応募を拒否すると不利益を受ける?

会社が労働者に対して執拗に応募を要請したり、これに応じない場合には転勤や降格のような不当な人事を行ったり、「退職しないと解雇する」などと脅したりすることは「退職強要」とみなされます。
退職強要は労働者の意思の自由を不当に制限するため、不法行為にあたるとして慰謝料を請求できることもあります。また、退職強要されて「退職する」と意思表示した場合は詐欺や強迫を理由に無効の主張ができ、さらに会社が行った不当人事などは権利濫用として、これもまた、無効を主張できます。

整理解雇

整理解雇とは、人員整理を目的として、労働者の意思とは関係なく会社から労働契約を解消することをいいます。一般に「リストラ」とイメージされているのがこれです。
同じ人員整理を目的とする希望退職が労働者の自由な意思に基づくものであるのに対して、整理解雇は会社からの一方的な契約の解消です。そのため、以下の4つの要件を満たしてはじめて有効とされます。

①人員整理の必要性

整理解雇をしないと会社が倒産しそうなほどに逼迫した場合や、誰がみても明らかな経営危機にある場合に、会社側が具体的な資料に基づいてどの程度の人員削減が必要かを説明する必要があります。

②解雇回避努力義務の履行

会社が整理解雇に踏み切る前に、使用者として執りうる手段を真摯に、かつ十分に尽くしたといえることが必要です。具体的には、出向・配転・転籍、新規・中途採用の削減・停止、希望退職募集などです。

③人選基準の合理性

恣意的な選定は許されず、勤務地や勤続年数、勤務成績、雇用形態などに照らした合理的な基準に従って、かつ、個々の人選についても公正に行われる必要があります。

④手続きの妥当性

会社は、労働者や労働組合に対して、整理解雇の必要性、時期、方法などについて十分な説明を行い、誠意をもって協議しなければなりません。

以上、これらのうち1つでも欠いた場合、解雇は無効となります。

まとめ

退職の打診を受けたり、整理解雇の対象となったりした場合は誰でも戸惑うはずです。「なぜ自分が?」と疑問に思ったり、どう対応すればよいのかわからなかったり、あるいは会社の姿勢に納得がいかないという場合もあるでしょう。そのような場合は弁護士に相談してください。不安や問題を整理し、次に踏むべきステップへご案内します。